摂食障害はいかに改善し得るか?

この一年で摂食障害に介入することが増えた。

摂食障害の治療は難しいとよく言われる。医師、栄養士などと連携しながら、介入を進めていくことが望ましいのだが、摂食障害だけをよくしようとするうまくいいかないことが多い。食べること、太ることへの嫌悪と、それをコントロールする達成感、それらを必要とする心理状態が言語化されるには時間を要するが、個人的にはとても重要だと思う。

メディアや雑誌を見ると、スリムなモデルさんがおいしいものを食べていたりする。健康維持に必要なだけ食べれば良いし、必要なだけ運動すれば、体型は維持できる。しかし、体型に関する価値観は、多様なビジネスにより、どこか過剰になるように操作されている感じがする。

患者さんには、性格的に真面目で誠実な方が多く、背景に上手に甘えられなかった、努力と我慢が過度になりやすい(自覚なく)、母子関係が近く、お母さんもかなり頑張り屋さんな方が多い印象がある。

摂食障害に至る背景には、親子間の葛藤が見えない形で潜んでいることが多い。食べるという行動は、ある意味、情緒的なやりとりで、食べ物は(自活できるまでは)誰かに与えられるものだ。だから、食べ物には関係性が反映されているとも言える。

ダイエットや運動は、達成感や習慣性があるもので、それ自体は悪いものではない。しかしながら、そこに過度に没頭する背景には、空虚感や孤独感があったりもする。本来、喜びや達成感は人と一緒に感じるものなので、どうして自己完結する方法を選んだのかを考えると、回復のヒントが見えてくることもある。

私は強迫性障害の治療を多数してきたのだが、症状がその人にとって何らかの役割を果たしていることがあると感じることが多々ある。以前は、抑圧した感情から身を守るために、強迫性障害の症状があるのだと考えられていた。現在では、認知行動療法が優勢になり、私も強迫行為をせずに不安を感じさせる行動療法を多く行ってきた。複雑な症例を見る中で、対人関係、心理発達に対する介入が、症状を改善させる経験が多数あった。

そういうわけで、摂食障害においても、食事摂取と心理的側面を同時に考えて、一緒に解決を探っていくのが私のやり方になっている。

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