強迫性障害
強迫症は、特定の考えやイメージが頭から離れず、不安を理由に繰り返しの行動をする病気です。汚れを気にして手洗いや長時間の入浴したり、戸締りや所有物の確認、特定の日常動作を繰り返すなどの症状が典型的です。スピリチュアルな強迫症(神、霊に関するもの)で困っている方も少なくありません。儀式的な行動は、自分の意思でやめることができないことが多く、それにより日常生活に支障をきたすようになります。
愛着と対人関係
愛着とは、人が不安、自己矛盾、傷つきなどを感じた時に、他者を求める傾向のことを言います。この愛着は、人によって感じ方が違います。ある人は、愛着が生じると、人に受け入れてもらえないかもしれないという不安を感じます。そして、別のある人は、人にわかってもらいたいという気持ちを抱くことに嫌悪感を抱きます。人に助けてもらう、悩みを話すことが無意味だと思うからです。このような傾向が過剰になったり、ストレスがかかったりした時に、さまざまな問題が生じます。
境界性パーソナリティ障害
境界性パーソナリティ障害とは、見捨てられ不安、自傷行為、物質乱用、感情制御の困難さ、暴力、不安定な自己像などを特徴としたパーソナリティとされています。DSM(米国精神医学会の診断マニュアル)の診断基準は、境界性パーソナリティ以外の人(双極性障害、自閉症スペクトラム症、知的な制限がある人、感情の制御が難しい人)にも適用されてしまうことがあります。その背景には独特の理由や心理があります。実際には、複雑性PTSD、愛着、心理発達の観点から、必要な取り組みを見極めていくことが必要です。
摂食障害
摂食障害の背景には、発症に至るまでに様々なことが関与しています。一般的に、摂食障害を発症される方は、妥協することがなく、達成動機が非常に高い方が多いです。そのような方は、無理をしても気付きにくく、限界を超えた時には、燃え尽き状態であったたり、抑うつ状態で身動きが取れないところまで、自分を追い込んでしまう方が少なくありません。思春期に発症することが多いため、親子関係、友人関係、理想と現実との葛藤などが、心理的背景に潜んでいることが通常です。
不安障害
不安障害とは、不安を過剰にコントロールすること、または回避することが過剰となり、生活に支障をきたすと共に、不安が通常よりも強く、長く続く状態にあることを言います。精神科領域では、パニック障害、社交不安障害、全般性不安障害など、不安に関連した精神疾患があります。不安障害を軽減するためには、不安の特性を学び、適切な方法で不安をコントロールすることと、不安を強めている生活習慣や人間関係を見直していくことが治療になり得ます。