強迫症と自閉症スペクトラム症の合併とその対策

強迫症(強迫性障害)

はじめに

こんにちは、TCBTカウンセリングオフィスの新明一星です。今回は 強迫症と発達障害の関連 についてお話しします。この二つが合併すると治療が難しくなる理由や、その対策について解説します。


自閉症スペクトラム症(ASD)とは?

自閉症スペクトラム症(ASD)は、発達障害の一つで、以下の特徴があります:

  1. コミュニケーションが苦手
    他人の気持ちを推測することが難しいため、曖昧な表現や非言語的なサインに対応しづらい。
  2. 反復的な行動と思考
    行動や思考がループしやすく、頭の中で同じことを繰り返し考える傾向が強い。
  3. 感覚の鋭敏さ
    不安を強く感じやすく、「しっくりこない」という感覚に囚われやすい。

強迫症との関連

約10~30%の強迫症にASDが併発していると言われています。この組み合わせには以下の課題があります:

  • 不安の増幅
    ASD特有の感覚過敏やルーチンへの執着が強迫症の不安を増幅させる。
  • 変化への抵抗
    強迫行為を減らそうとすると不安が増し、治療が進みにくい。
  • 孤立による悪化
    コミュニケーションの困難さが社会的孤立を招き、思考のループを強めて症状が悪化。

治療と対策

  1. 思考ループへの気づき
    どんな状況で思考がループしやすいか観察しましょう。ループが薄まる条件を見つけることが大切です。
  2. 規則正しい生活
    • バランスの良い食事
    • 十分な睡眠
    • 適度な運動
      これらを習慣化すると、強迫症の悪化を防ぎやすくなります。
  3. 話せる場所を持つ
    孤立は症状を悪化させる大きな要因です。支援者や信頼できる相手と話す機会を確保しましょう。
  4. 自己完結からの脱却
    困った時は助けを求める習慣を身につけることで、孤立を防ぎやすくなります。

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