完璧主義(よくある行動と対策)

対人関係

完璧主義という言葉が当てはまる人が、みなさんの周りにもいるかもしれません。完璧な目標を設定して、自分にも他人にも厳しい人がいらっしゃいます。そして妥協ができないために疲れてしまったり、それでも手が止められないとしたら、その人の生き方はとても辛いものかもしれません。

そして完璧主義が行き過ぎると、幸福度が下がると言われています。それもそのはず、ゆとりがなくなってしまいますし、同じ方法決まった方法でないと物事をこなせないとすれば、柔軟な対応はできなくなるでしょう。

完璧主義には、2種類あるようです。ひとつは良い完璧主義です。特徴は、まず成果が出るということです。完璧を目指して努力した結果、目指していることが達成できるのならば、それは良いことでしょう。例えばテストで合格点を取れる、プロジェクトが成功するということでしょう。結果的に満足感があることも大事なことです。満足感があれば次に努力をつなげていくことができるからです。そして健康を害さないこれも大事なことです。健康害してしまうと、そこから先に努力を続けることもできなくなってしまいます。

では、悪い完璧主義とはどんなものでしょうか?まずは、期待値が常に上がっていくということです。やってもやっても、もっとやらなければいけないと考えるので、自分に追い込みをかけてしまうのです。そして満足感がないまま、期待値は上がり続け、どこまでやっても十分だと思えないのです。そうすると作業はいつまでも終わらず、頭からそのことが常に離れない状態になるでしょう。妥協ができないことから、作業の負担度が非常に高くなり、作業を始められなくなってしまう人もいます。相当の覚悟がないと、完璧にやり切る気分になれないということです。見た目には先延ばしにしているのですが、実は完璧主義的だから始められないというわけです。そして悪い完璧主義は、健康害するということです。眠れないとか、食べれないとか、疲れが取れない期間が長く続いているのであれば、心身ともに相当参っている状態と言えるでしょう。

よくある完璧主義 ①:勉強

完璧に理解しなくてはいけないとか、完璧に覚えなければいけない、完璧な読み書きを目指すなどがあげられます。気になったことがあると、完全に納得するまで調べ尽くさなければいけないと思われる方もいらっしゃいます。そして仕事です。仕事上で間違いがないかを過剰に確認したり、そういったことが理由で出勤がとても早くなる方がおられます。退勤が遅くなる場合もあるでしょう。なぜかと言うと作業時間が長くなってしまうからです。そうすると、ゆとりがなくなってしまい職場でのコミュニケーションが難しくなります。通常は会話が減ってしまうと、意思の疎通が互いにできなくなっていきます。すると、トラブルが起こります。ゆとりがないので、周囲の人たちに苛立ちを感じてしまいます。そういったことが続くと、怒りが爆発してしまうのです。このようなことがあると、対人関係上のトラブルが足枷医になって作業効率が悪くなってしまう。すると焦りや不安がして、より完璧主義が強まっていくことになります。

よくある完璧主義 ②:家事

料理であれば、品数が多かったり、手の込んだ料理であれば、家族が喜ぶことでしょう。でもそれによって調理時間がとても長くなってしまうとしたら、とても疲れます。食材のこだわりが強くなってしまったり、添加物が入っていないものを選んだり、ある程度は楽しいことですが、過剰になると家族に感謝されないことに苛立ちを覚えることもあるでしょう。掃除もその一つでしょう。掃除する範囲がとても広範囲になってしまったり、細かくなってしまったり、時間が長時間になってしまうとすると、これも大変です。洗剤にこだわったりとか、虫やカビがとても嫌なので、徹底的に掃除をするという方がいらっしゃいます。

よくある完璧主義 ③:礼儀

相手に対して失礼がないかをとても気にしたり、逆に無礼な人に激しい怒りを覚える方がいます。自分が失礼がないようにとても気をつけているので、他人にもそれを要求するというパターンです。親切に関しても、困っている人を見たら、直ちに全力で助けなくてはいけないと思われる方がいます。これが過剰になると、親切というよりは強迫的世話と言えるかもしれません。今すぐ助けてあげないと自分の立場的に不安になるとか、相手が荒れるとか、要求してくるかもしれないと考えるようです。不安に敏感でもあるため、考えるよりも体が先に動いてしまう方がおられます。こういった考えが過剰になると、罪悪感と不安で心がいっぱいになり、とても苦しくなるのです。

完璧主義を和らげる方法

① 不安に気づくこと

完璧でいるということは、自分に対して安心をもたらすことです。逆に完璧でないととても辛い気持ちになるはずです。不完全な自分に向き合わなくてはいけないからです。そして不完全さを残してしまうと、後悔すると考えて不安になる方がいます。後悔するのが嫌だから完全を目指すということです。不完全さには違和感がりますが、完璧だったら気持ちがいい。どこかが欠けているというのは、気持ち悪いというわけです。このような違和感、不安、後悔が完璧主義の背景にはあります。何かに没頭している時には、このようなことには気づかずにすみます。だからこそ、余計に完璧主義を追求してしまうのです。

② リラックスを学ぶ

これはとっても難しいと言われる方が多いです。リラックスなんかしてる暇はない、無意味だと思う完璧主義者が非常に多いです。しかし、緊張感が高いまま、根を詰めてやっていくと、ますます手が止まらなくなっていきます。手を止められないとしても、少しだけ呼吸をゆっくりにしてみるとか、動作をゆっくりにしてみると良いと思います。先ほど申し上げたように何かに没頭していると、自分がどれだけストレスを感じているかに気付きにくかったりします。時々目を閉じたり、普段は向けない刺激に注意を向けたりとか、食べたり飲んだりするときによく味わって食べたり飲んだりしてみると良いのではないでしょうか。本当に疲れ切ってしまった時には、起き上がれないほどに心身の調子を崩すということもあり得ますので、作業を中断するスキルを覚えていただきたいです。

③ 完璧主義の見直し

て考えてみていただきたいことは、成果は出ているか?ということです。成果が出てないのに、がむしゃらに頑張るには非効率です。そして今やってることは長期継続できることでしょうか?長期継続できないような取り組みをしてると、どこかで止めざるを得なくなってしまいます。そうすると結果的に不本位な状態で、大切にしている何かを手放さなくてはいけなくなることがあり得ます。そして今の自分は幸せでしょうか?今追求していることで、自分がどんどん不幸せになっているとしたら、もしかすると本末転倒かもしれません。そして周囲の人は困ってないでしょうか?もしかすると、あなたが一生懸命何かを目指すことによって、周囲の人が無理にあなたに合わせているかもしれません。あなたがピリピリしていることで、周囲の人はとても落ち着かない気分で過ごしている可能性があります。そして、目的を見失ってはいませんか?そして何かに没頭しすぎると、自分のことを客観視しにくなるからです。本来は成果を出すために頑張っていたはずなのに、細いプロセスや作業をこなすことが目的になってしまう方がいます。

④ 完璧に完璧主義を直そうとしない

結構あるのは、完璧主義を完璧に改善したいと考えることです。完璧主義的に、完璧主義を完全に手放そうと思ってしまうということです。これはある意味トラップであって、完璧に改善したいと考えると、逆にハードルが上がり早々に諦めてしまう方が多いです。ぜひ日々練習だと考えていただきたいです。練習していただくことは、柔軟な心を持つこと、手放す強さを養うといういうことです。これを諦めと捉える方が多いですが、必要なことを選んでそれ以外のものを手放すのは、心が強くないとできないことです。妥協することに、負けたとか、弱いというイメージがあるかもしれませんが、実際に必要なことを選択してその他をは手放すのはとても難しいことです。選ぶ力と決断する力、そして手放す力が必要です。

⑤ 独立独行からの脱却

完璧主義的な方は、何でも自分で自己完結する生き方をしている方がいます。ですので、少しずつ脱却していただきたいなと思うのです。こういったこと自体が面倒なことではあります。自分でやった方が早いとか、誰にも邪魔されたくないという人が多いですが、一人でいると新しい発想はなかなか出てきません。常に同じことばかりしていては、人生は発展していきません。少しずつ人に相談したりとか、人と雑談することによって、新しいアイデアが芽生えたりするものです。

⑥ 人を許すことを学ぶ

自分に完璧を求める人は、他人にも完璧を求める方が多いです。ぜひ、人を許すことを覚えていただきたいです。誰でも厳しく要求されたりとか、批判されたりすると疲れてしまうものです。お互いに心地良い関係でいるために、程よく許すことは欠かせないことです。そして、程よく人に頼ることです。頼る時も、完璧を期待すると、相手は疲れてしまいます。すぐに否定や批判をせず、「そういうものも見方もあるのか」、「そういったやり方もあるのか」と一旦は言ってみることを習慣にすると良いでしょう。

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