周囲に突然キレる人がいると、どこか落ち着かない気持ちになります。無意識にその人がキレないように配慮したり、気を使ってしまうかもしれません、特にそのような人が家族にいると、生活の目的が「キレられないこと」にシフトしてしまい、気づけば自分の人生が殺伐としたものになっていることもあります。今回は、キレる人の心理とその対応方法について考えてみたいと思います。
キレる人は、基本的に怒っているわけです。怒っているということは、何かが自分の思い通りにいっていないと感じているからです。例えば、「配慮が足りない」とか「やり方が違う」といったことで怒りが爆発することがあります。理論的には、「キレなくても穏やかに指摘してくれればよかったのに」と思うかもしれませんが、キレる人はその怒りを抑えきれず、感情が爆発してしまいます。怒りの原因が正当であろうとなかろうと、彼らにはその瞬間に感情をコントロールする余裕がありません。
また、キレる人は感情耐性が低い場合が多いです。怒りを抱えておけないため、タイミングを選ばずに感情が爆発してしまいます。「なんでそんなに怒ってるの?」と尋ねると、「あなたがそうさせたからだ!」と返されることがあります。この言葉を聞くと、相手を論理的に理解しようとしても、思考が停止してしまい、感情的に反応してしまうことが多いです。その結果、後で嫌な気分が残ったりします。
さらに、キレる人は視野が狭い場合があります。理論的には正しいことを言っているように見えても、実際には内容が支離滅裂だったり、一方的な意見に過ぎないことが多いです。こうした場合、真っ向から議論を挑んでも逆効果です。相手の興奮を鎮めるために、配慮を込めて提案をしてみても、逆に話がこじれてしまうことがよくあります。このような状況では、少しだけ話題を変えてみたり、一旦やり取りを中断するのも一つの方法です。感情的なやり取りが続くと、こちらも冷静さを失いがちです。
キレる人との関わりは確かに嫌なことです。しかし、こうした人々はもしかしたら私たちに何かを教えるために存在しているのかもしれないと、私は考えるようにしています。批判されたくないという気持ちや、優しい人と一緒にいる方が良いに決まっているという気持ちも理解できますが、キレる人に動揺してしまう自分にも課題があるということに気づくことが大切です。
相手が感情的になると、瞬間的に自分の感情も高ぶりやすくなります。すぐに反応してしまう自分がいることに気づくと、それは感情を抱え込みやすかったり、自他の境界線が曖昧になりやすい証拠でもあります。この点に気づき、自己と他者の感情を分けることが重要です。自分の心と相手の心を切り離す作業が役に立つのです。
まず、キレられると「自分が悪い」「自分が何かをしなくてはいけない」と思ってしまう自分に気づくことが大切です。それは、自分の心が混乱しているからです。相手がそう言っているからといって、自分が本当にそれに同意しているのか、自分の意図はどうであったのか、なぜ相手に同調してしまったのかを問い直すことが有効です。怒りや恐怖感があると、心が麻痺してしまい、こうした冷静な問いかけを怠りがちです。
ただし、暴力や暴言は決して容認してはいけません。暴力や理不尽な要求をする人からは早めに離れ、身を守ることが最優先です。しかし、キレる人と向き合うことで、自分らしさや自分の考え、信念を確立するきっかけになることもあります。このような経験を通じて、私たちはより強く、より明確な自分を育むことができるのです。
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