境界性パーソナリティ障害(BPD)を持つ人々は、自殺について考える人が少なくありません。対人関係での行き違いや、理解を得なかったと感じることで、強い不安や怒りが沸き起こるからです。切迫した感覚になり、体が先に動いてしまうという方がいます。または、逆に感情を隠すことに必死になり、余裕がなくなったり、物事に集中できず、無能感に絶望する人もいます。このような感情の嵐が重なることで、自殺企図が生じます。相手の愛情を確かめるために、死をほのめかしたくなってしまう人もいます。いずれにしても、自分の感情を抱えるゆとりがないことから自殺企図は生じます。
感情の起伏が激しく、見捨てられ感が生じやすいため、対人関係の対処が極端になりがちです。期待する返事がなかったり、意見を言われると、自分が無価値に感じられるため、相手を罵倒したり、無視する行動になりがちです。相手は驚いたり、恐れを感じるのですが、そのような他人の心理には、感情に圧倒されているためなかなか考えが及ばないと言われる方が少なくありません。身近な人やSNS上では歯止めが効かなくなりやすく、もう消えるからさようならとコメントしたり、ラインのブロックをしたりということが起こります。
境界性パーソナリティ障害を持つ人々は、辛い感情に向き合うゆとりのなさから、感情の不安定さや衝動的な行動が結果として起こります。何が感情の爆発に繋がるかという自己理解と、衝動的な行動に気づき、少しづつ建設的な対話や落ち着く練習をしていくことが重要です。