確認強迫の治し方

強迫性障害

確認強迫とは、戸締り、火の元、所持品、汚れなどを、必要以上に確認することが頻回になり、生活が障害される状態を言う。確認が長くなると、外出できない、作業が進まないなどの問題が生じるだけでなく、本人も非常に疲弊することになる、家族を確認に付き合わせたり、何度も質問を繰り返して、家族関係が悪化することも少なくない。これらを曝露療法で治療する場合の手段を説明してみたい。

曝露反応妨害法の理念は、強迫行為をせずに、不安(体感的な)を感じる(または高める)ことを言う。曝露療法ができているか判断する場合、従来の強迫行為が再生されていないかを確認する。確認をしないことが耐え難く、心配が過剰になってしまうのは通常なので、この時点で過度に自分を責めたり、悲観的にならないで欲しい。

不安を感じるためには、強迫行為を保留する必要があるが、実際の行動を制止すると、思考の中で強迫行為が開始されることが多い。この状態は、目で見える強迫行為は制止されているけれど、頭の中での強迫行為が展開していることになるので、曝露療法としては成立していない。確認強迫の場合、思考の儀式に転じやすいため(心的儀式とも言える)、不安のみに直面することがやや難しい。そのため、不安な感覚をまず認識する練習(そわそわ、もやもや、ざわざわなど)を行い、言語化できるようにし、この感覚だけを直視できるように練習をしていくと良い。

または、確認意外の行動を挟んでいく方法もある。どのような行動を挟むかについては、常識の範囲内で、多くの人が取っている行動や、本来やるべきことをしていくことが良い。ただ、行動を切り替えても、思考の確認は継続するので、ポイントは、やろうとしている行動をとにかく継続することに集中し、不安を感じながらも別行動を取る練習をしていく。徐々に別行動を取っている間に、強迫観念が薄まったような感覚になり、良い意味で忘れている状態を作り出せる。

このようになると、強迫観念は自分の行動でコントロールできるという考え方が芽生えるようになる。少しでもコントロールできるという感覚が芽生えたら、すごく良いことなので、強迫行為が消失してないくても、ぜひ自分を褒めてもらいたい。コツを掴むまではつまづきを覚えるかもしれないが、身についていくと確認をしない時間が増え、確認をしないと楽なんだという、これまでと違った感覚になっていくだろう。